経済運転に関しては動力比が原価の部分と考えるなら企業内で取り上げられて当然であり、各社でも古くは蒸気機関車の石炭消費量の節約方法等が行われてきた。通勤電車の場合も同様に経済運転の手法が確立されていて起動・停止が連続するものは定格速度を下げることで起動抵抗が早く抜けて抵抗ロスを少なくし、高速域は界磁を弱めて対応するのが得策である。一定駅間を同一時分で運転するには加速度を高めて惰行時間を多く取ればブレーキ初速が遅くなってエネルギー損失を防げ、加速度を大きくすると103系のように直流直巻電動機を用いる場合定格速度は低くなるが、これは逆に抵抗ロスを削減できる効果がある。抵抗損失は抵抗の抜ける速度の二乗に比例して増大するため、101系や旧型国電よりも抵抗を抜ける速度が30km/hと低い103系は抵抗損失が格段に少なくなっている。その結果、103系を使用することで通勤線区では10%程度の省エネとなる。

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